視線 ~人生が変わる瞬間~

 私が返事を返すと、舞子は安心したように口角を上げた。


「まいまいおはよ!来るの遅いよー」


 優希が舞子の背中をバシッと叩くと、舞子がよろけて私の机にお腹をぶつけた。


 舞子がしかめっ面でお腹をさすり、眉を八の字にする。


「いっ、痛いよ優希…」


 舞子は一生懸命笑顔を作ろうとしていたが、ただブスが余計ブスになっただけだ。


「まいまいってば、ホントへたくそだね、作り笑い!」


「え、あ…ご、ごめん…」


 舞子は落ち込んでうつむいてしまった。


「舞子、朝から作り笑いなんて疲れちゃうよ?自然でいなよ」
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