君に会いたくて
序章
『はじめまして。水森紗枝です』
ずっとずっと、密かに思いを寄せていた彼女。
はじめて彼女を間近で見た。
はじめて、彼女の名前を知った。
こんなにも嬉しいことが同時にやってきていいのか?
胸の奥が、ずっとドキドキしていた。
あぁ、きっと今の俺の顔って……。
ガラにもなく真っ赤に染まって、引きつっているかもしれない。
――だけど……。