君に会いたくて
「やっべー、寝過ごしたしっ!!」
俺にとっては心地よい沈黙が続くなか。
紗枝の『彼氏』登場。
亮太は毎朝、「寝過ごした」と言って、走ってくる。
同時に、亮太を追いかけて来たかのようにバスが到着する。
「もう、いっつも寝坊するんだから」
「ははっ。目覚まし五個かけているんだけどなぁ」
「ねぇ、朝ごはん食べた?」
そしてやって来る、嫌なひととき。
仲の良い二人の姿。
俺は顔中の筋肉を精一杯つり上げて、笑う。