君に会いたくて


ミネラルウォーターを手にして部屋に戻ると、すでに亮太が風呂から上がってきていた。



「……亮太、もう上がったのか?」


「まぁなー。……直樹、頼みがあるんだけど」



ミネラルウォーターのボトルから手に伝わる雫。

それを感じながら、亮太の頼みが何なのか、俺にははっきりと分かった。


だけど、敢えて聞かず、俺は亮太の言葉を待つ。



「十分でいいから、この部屋貸してくれ!」


「……あぁ、いいよ」



ビンゴ。

クリスマスだもんな、今日は。


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