君に会いたくて


こういうのもヤケ食いって言うのかな。


お腹いっぱいなくせに、悶々とした気持ちを発散させるかのように、残り物のケーキを夢中で食べた。


食べながら、俺の視線はリビングの時計に奪われる。



あと五分……。

四分……。

三分……。



「直樹、果物もあるけど食べる?」


「ごちそうさま。部屋に戻るわ」



ジャスト十分。

俺は出されたお茶を喉に流し込むと、急いで部屋へと向かった。


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