君に会いたくて


思いなおして、俺はリビングに戻ろうと踵を返した。


クリスマスなんだ、今日は。

何度も自分にそう言い聞かせながら……。



「……あれっ、直樹?」



リビングに行こうとした俺を、驚いたように呼び止めたのは亮太の声だった。



振り返ると、部屋のドアから顔だけをひょっこりと出した亮太がいた。




「どこ行くんだ?」


「いや、邪魔かなと思って」



遠慮がちに言う俺に、亮太は手招きをする。


< 115 / 157 >

この作品をシェア

pagetop