君に会いたくて
バス停が近づくにつれ、人の数が増えていく。
俺たちがいつも乗っていたバスは、もうすぐバス停という距離で立ち往生していた。
見ると、バス停の少し先には、黒いスポーツカーが歩道に乗り上げている。
「おっ、直樹!!」
「……亮太?」
「いやー、今日はマジで寝過ごしてさ。次のバスで行こうと思ってたんだ」
悠長に寝坊したことを話していた亮太は、騒ぎに気づいて顔色を変えた。
「なんだ? 事故か?」
「あぁ、らしいな」