君に会いたくて
人事のように、騒ぎを見ていた俺と亮太だったけれど……。
「バス停に車が突っ込んだらしいわよ」
そう言いながら、俺たちの横を通り過ぎた主婦らしき人たちの声にハッとなった。
「……なぁ……、紗枝は……?」
ぽつりと呟くようにして聞く亮太の問いに、俺の頭の中は真っ白になった。
「……まさか……」
嫌な予感がした。
乗るはずだったバスは、バス停に到着することもできず、俺の目の前にいる。
紗枝がいたバス停に、車が突っ込んだ……。