君に会いたくて


病院に着くと、紗枝のお母さんがロビーで待っていてくれた。



「お母さん、紗枝は……」



亮太が真っ先に聞くと、お母さんは力なく笑う。

そして、無言で紗枝のもとへと俺たちを案内してくれた。



紗枝がいたのはICU。

家族のみしか入れない場所だったけれど、お母さんが看護師さんに頼んで俺と亮太を中に入れてくれた。



いろんな機械が立ち並ぶ室内。

その奥にあるベッドの上に紗枝がいた。



「……あの……紗枝の容体は……」



俺の前にいた亮太が、震える声でお母さんに聞いた。


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