君に会いたくて


「直樹くんも早弁しちゃダメよ」


「……あぁ」



そっけない返事をする俺を見て、紗枝はにこりと笑った。



人ごみに紛れて駅の中へと消えていく紗枝の後ろ姿。



見送るのは、『彼氏』である亮太だけで……。




「亮太、先に行くからな」



『彼氏の親友』でもある俺は、紗枝の姿が見えなくなるまで見送る亮太を残して、先に歩き始めた。




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