君に会いたくて


あの日、突然訪れた紗枝との永遠の別れ。

気持ちだけが置き去りにされたまま、年を重ねていく。



紗枝が死んでから、亮太はしばらく塞ぎこんでいた。

学校も休み、俺との連絡さえも避け続けていた。



亮太が久しぶりに学校に来たのは、二年に進級する間際で。

単位がぎりぎりだった亮太は補習で乗り切って、俺と一緒に二年に進級できた。



亮太は高校を卒業するまで、誰かと付き合うことも、好きになることもなかった。



高校卒業後、亮太は東京の大学に入った。

大学を卒業しても東京に残った亮太は、いまは普通のサラリーマンをやっている。



やっぱり今も、亮太には恋人という存在がいない。



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