君に会いたくて
三時間目の始業ベルが鳴ったと同時に、亮太が聞く。
「……ただ、ちょっと聞いてみただけだよ」
俺は窓の外を見ながら、ぽつりと呟いた。
早弁をした亮太の昼メシは、購買で買ったパンとおにぎり。
そして、今朝、紗枝が渡したカロリーメイトだった。
「やっぱチョコ味じゃね?」
ぶつぶつ言いながら、亮太はフルーツ味のカロリーメイトをかじる。
「……別にどっちでもいいし」
俺は興味なさそうに言いながら、弁当の卵焼きを口に放り込んだ。