君に会いたくて
「なに? 俺、なんかしたか?」
違うクラスの女子に呼び出される覚えなんかない。
しかも見ず知らずの女子だ。
「ばーっか! 告られるんだよっ!!」
俺を呼んだ女子が呆れた顔をしながら、俺の後頭部を思い切り平手打ちした。
「告白? 俺が?」
「つーかさ、さっさと行きなよ。で、結果報告よろしくね~」
「告られるって決まったわけじゃねぇだろうが」
言って、後頭部を殴った女子のきれいに巻かれた茶色の髪を、俺は仕返しだと言わんばかりにぐちゃぐちゃに乱した。