君に会いたくて


俺は二人を、人気のない階段の踊り場へと連れて行った。



「で? 話というのは?」



階段の手すりに肘を乗せ、二人を見据える。

そんな俺に、ショートカットの女子がにこりと笑って言った。



「あたし、ちょっと外すわね」


「……えっ、ちょっと……!」


「頑張ってよ」



引きとめようとしたおかっぱ頭の女子を残して、ショートカットの女子は足早に立ち去って行く。



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