君に会いたくて


「……あの……話とは……?」



一人残されたその子は、俺を見ようともせず、ずっと下を向いていた。

そして、意味もなくスカートを触り続けている。



「…………」


「…………」



これは長期戦になるな。

そう思った俺は階段に腰を下ろし、うつむく彼女の顔を下から覗き込んでみた。



真っ赤な顔をして、唇は小刻みに震えている。

つぶらな瞳には、涙がうっすらと溜まっているかのようにも見えた。


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