君に会いたくて
この子は俺に、告ろうとしているんだ――。
そう思ったとき、ふと紗枝のことが頭に浮かんだ。
――亮太に告った時、紗枝もこんなふうに緊張していたのかな。
緊張のあまり、泣いたりしたのかな……。
「ふっ、ふふふふ藤森くんっっ!!」
ようやく決心がついたのか。
彼女は思い切って顔をあげ、声を震わせながら、俺に言った。
「にゅ、入学してから……、ず、ずず、ずっと好きで……」
――大丈夫か?
呼吸がかなり乱れているぞ。