君に会いたくて


こんなに、泣いてしまいそうなほど緊張して。

たくさん勇気を出して、告白してきただろうに……。



俺の言葉を聞いて、その子の瞳から涙がはらはらとこぼれ落ちた。



「本当にごめん」


「うっ……、ううん、いいの! ありがとう、ちゃんと言ってくれて」



笑ってはいるけれど、わずかに引きつっている。



実らない片思い。

俺と、この子の共通点。

だからこそ、この子の気持ちは痛いほどに分かるんだ。



< 29 / 157 >

この作品をシェア

pagetop