君に会いたくて
第一章
*バス停の彼女*
――紗枝にはじめて出会ったのは、朝のバス停だった。
七時五分。わらび野駅行き。
いつも通学に使っている路線バス。
この路線バスを使っているのは、ほとんどが高校生だった。
俺と同じ高校のやつ。
隣町の女子高に通う女の子たち。
わらびの駅から地下鉄を乗り継ぎ、少し離れた有名進学校に通う優等生。
紗枝は、隣町の女子高の制服を着ていた。