君に会いたくて


俺の怒声で、それまで賑やかだった昼休みの教室がしんと静まりかえる。



「……ごめ……、亮太……」



亮太は……。

呆然とした表情で俺を見ていた。



亮太に対して、こんな態度を取ったのははじめてだった。


亮太とは中学からの付き合いだから、喧嘩のひとつやふたつはした。

でも、俺のことを気遣う亮太に対して、一方的に怒鳴りつけたのははじめてだ。



「いや、いいよ。俺こそ、しつこかったな」



亮太はすぐに笑顔を取り戻す。

いつもの笑顔。



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