君に会いたくて
そして、波を打ったかのように静まり返っていた教室は、またいつもの賑やかさに戻った。
「それよりさ、駅の近くに新しいラーメン屋ができるらしいぜー」
気まずさをぶち壊すかのように、亮太は笑って話題を切り替えた。
俺……最低だ。
俺が紗枝を好きなこと、亮太は知らないのに。
亮太は、彼女がいない俺のために協力しようとしたのに。
ひとりで勝手に腹をたてて。
八つ当たりして。
――紗枝……。
君はどうして、俺の親友を好きになったんだ?
どうせなら、俺の知らない、他の男が彼氏だったらよかったのに。