君に会いたくて


四人で一緒にいるあいだ。

紗枝はほとんど自分の友達と喋っていて、時折、思い出したように亮太に話を振る。


話を振られた亮太が、さらに俺を巻き込む。

なんて悪循環なんだ。



今日だって――。

駅で偶然、紗枝とその友達に会って、一緒に帰る羽目になってしまった。



亮太の姿を見つけた紗枝は、嬉しそうに駆け寄ってきた。

そして、なんの違和感もなく、自然な流れで亮太の腕に自分の腕を絡ませる。



その姿を何度となく見ているのに。

毎回、俺の胸はちくりと痛む。



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