君に会いたくて
きっと亮太は、俺の顔色が次第に変わっていくのに気づいたんだ。
俺に詰め寄るようにして話をしていた紗枝を、ぐいと自分の方へと引き寄せた。
「直樹くんの気持ち……」
言われて、紗枝はやっと我に返ったのか。
急に黙り込んで俺を見た。
「……ごめん。彼女がほしいとは思うけど……」
黙っている紗枝に、俺は淡々と話す。
「できることなら、自分の好きな子と付き合いたいんだ」
まっすぐに紗枝だけを見て、俺はきっぱりと言った。