君に会いたくて


まだ、紗枝とキスしていない。



ホッと胸を撫で下ろしたけれど……。

だけどもう、クリスマスへ向けてのカウントダウンは始まっている。



紗枝が、本当に亮太と結ばれてしまう。

皮肉なことに、俺はそれに協力するんだ。



「あー、早くクリスマスになんねぇかなー」



教室の壁に貼られたカレンダーをじっと見る亮太に、俺は笑って忠告した。



「……ちゃんと避妊しろよ」


「準備万端! もう買ったし」



ニッと笑う亮太に、またしても俺の胸はズキンと痛んだんだ。


< 53 / 157 >

この作品をシェア

pagetop