君に会いたくて
まだ、紗枝とキスしていない。
ホッと胸を撫で下ろしたけれど……。
だけどもう、クリスマスへ向けてのカウントダウンは始まっている。
紗枝が、本当に亮太と結ばれてしまう。
皮肉なことに、俺はそれに協力するんだ。
「あー、早くクリスマスになんねぇかなー」
教室の壁に貼られたカレンダーをじっと見る亮太に、俺は笑って忠告した。
「……ちゃんと避妊しろよ」
「準備万端! もう買ったし」
ニッと笑う亮太に、またしても俺の胸はズキンと痛んだんだ。