君に会いたくて



「おはよう、直樹くん」




遠くから見ているだけだった紗枝。



その紗枝が今、目の前にいる。

俺の名前を呼び、「おはよう」って言いながら微笑んでいる。



でもそれは、
紗枝が俺の親友・亮太の彼女になったからであって。



もしも紗枝が、
亮太の彼女でなかったら、俺は未だに紗枝を見ているだけだった。




< 6 / 157 >

この作品をシェア

pagetop