君に会いたくて


携番を交換したあと、紗枝は嬉しそうに笑って言った。



「亮太くんには内緒よ? お弁当のことも、携番交換したことも」


「別に内緒にしなくたって……」


「だーめ。亮太くんに最高のお弁当を作ってあげるんだから」



――すべては、亮太のため。


携番の交換も。
お弁当を俺にくれたのも。



しかたないんだ。



だって俺は、彼氏の親友なんだからさ……――。



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