君に会いたくて
手始めに卵焼きをひとくちかじる。
ほんのりと甘い。
亮太がこの味をどう捉えるのかは分からないけれど、俺好みの味だ。
ごはんとおかず。
俺は夢中になって交互に食べた。
おいしい、すごくおいしい。
おふくろがいつも作る弁当もおいしいけれど、紗枝の弁当もそれに劣らずおいしかった。
「………?」
なんだ、これ……?
食べ進めていくうちに、弁当の底にラップが敷いてあるのに気づく。
そのラップの下には、紙のようなものが見えた。