君に会いたくて


手始めに卵焼きをひとくちかじる。

ほんのりと甘い。

亮太がこの味をどう捉えるのかは分からないけれど、俺好みの味だ。



ごはんとおかず。

俺は夢中になって交互に食べた。


おいしい、すごくおいしい。

おふくろがいつも作る弁当もおいしいけれど、紗枝の弁当もそれに劣らずおいしかった。




「………?」



なんだ、これ……?


食べ進めていくうちに、弁当の底にラップが敷いてあるのに気づく。

そのラップの下には、紙のようなものが見えた。


< 65 / 157 >

この作品をシェア

pagetop