君に会いたくて
『食べてくれてありがとう』
きれいな文字で書かれた、紗枝からのメッセージ。
なんともいえない気持ちになる。
早起きして作ったであろう弁当は、亮太の口には入らなくて……。
俺が食べる羽目になってしまったなんて……。
どうしよう、この紙……。
弁当のことは亮太には内緒だと言われたし。
かと言って、この紙ごと弁当箱を返すのもかわいそうだし……。
いろいろ考えたあげく、ラップをきれいに剥がす。
そして俺は、紗枝のメッセージを取り出すと、丁寧にたたんでズボンのポケットにしまい込んだ。