君に会いたくて


高校生の集団が次第に集まりだす、朝のバス停。


雲ひとつない、秋の空。

涼しい風と、紗枝の隣。

居心地がとてもいい。



「直樹くんってさ、無口だよね」


「は? 俺、全然無口な方じゃないし」


「そう? じゃあ、女の子が苦手とか?」


「別に苦手じゃないけど」


「そうかなぁー? あたしとあんまり喋ってくれないよね?」



それは、俺が紗枝を好きだから。


そんなこと言えるわけもなく。



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