君に会いたくて


紗枝からだと分かるように。

紗枝からの着信にだけ、着メロを変えた。


だけどその音色は、いくら待っても鳴るはずもなかったんだ。





終業式はクリスマスイブだった。



学校から帰ってすぐ、紗枝と亮太は一度家に帰り、わらびの駅で落ち合うことになっているらしい。




幸せな二人に贈るかのように、終業式の日は朝から雪が降っていた。



朝のバス停。

これから二週間、紗枝に会えない。


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