君に会いたくて


亮太は今日のことを、嬉しそうに俺に何度も話してきた。



どこのホテルに泊まるとか。

夕食後、部屋でクリスマスケーキを食べるとか。

紗枝へのクリスマスプレゼントに指輪を買ったとか。



「へぇ、そうなんだ」



無理に笑い、感情のこもっていない相槌をうつ。


何度も、何度も……。



そして、一瞬、思ってしまったんだ――。



今日の計画が、ダメになってしまえばいいのに……。


< 91 / 157 >

この作品をシェア

pagetop