君に会いたくて


アリバイ担当の俺が凡ミス犯して、親にバレるとかさ……。

ホテルに入っていくのを担任が偶然見てしまうとか……。



考え出したらキリがない。

心の中が、どんどんドス黒くなっていく。



「……でもさ、ほんっとありがとうな、直樹」


「えっ……」


「無理な頼みを聞いてくれて。マジで感謝してるよ」




亮太に礼を言われた瞬間――。


真っ黒になっていた俺の心の中が、一気に浄化されていく。


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