君に会いたくて
寒さに震えている二人を、とりあえず自分の部屋に通す。
おふくろが三人分の温かいコーヒーを持ってきてくれた。
「ごゆっくりー」と笑顔でおふくろが立ち去るのと同時に、亮太が口を開いた。
「部屋がさ、ブッキングしたんだよ」
「はあ!?」
聞けば、チェックインして案内された部屋に入ると、別のカップルがすでにいたと言う。
クリスマスにこんなミス……。
あまりにも酷な話だ。
「でさ、ホテル側がな、近くのホテルに振り分けてくれたんだけど……」
「……亮太くんの学校の先生が、そこに泊まっていたのよ」