君に会いたくて


「でさ、今日、泊めてくんね?」


「……は? なんでそうなる。家に帰れよ」



冷たく言い放った俺に、亮太は家に帰れない理由を話し始めた。



俺と旅行に行くと嘘をついた亮太。

家族は「亮太ばかりズルイ」と言って、亮太抜きで旅行に出かけたらしい。

しかも、亮太は家の鍵を持ってきていなかった。




「……直樹くん。できればあたしも……」



上目遣いで俺の顔色を窺うようにして、今度は紗枝が頼んできた。


< 99 / 157 >

この作品をシェア

pagetop