すべてが終われば
すべての始まり
「帰宅部はダメだ。納得のいく部活がないなら作るでもしろ。」
担任の先生である山川守先生はため息をついて私の提出した白紙の入部届けを見る。
私は不満げな視線を彼に送るが、彼はそれに気づかない。あるいは気づいているが無視しているだけかもしれない。
私が今年入学した梅津沢高校は特に部活動に関する規定はなかったはずだった。しかし残念ながら今年校長が変わったせいで、必ず部活動に参加しなければならない規則ができてしまった。
「もう少し考えてみます。」と言い残して職員室を出た。
私の志望高校は二択だった。家から近いが部活動に積極的な青ヶ原高等学校。そして家から少し離れているが部活動のゆるい梅津沢高校。どちらも偏差値は同じくらいだった。私が後者を選んだのはやはり部活動に特に厳しくないからだった。それなのに、、

突然女子生徒が声をかけて来た。
「ねえ、一緒に部活作らない？」
あまりに唐突に質問だったため、変な声を出してしまった。するとその子は声を出して笑う。
笑われるのは慣れているが、好きではない。
これだから人付き合いは苦手だ、、
「名取さんも部活選び迷ってるんでしょ。」
名前を知られていることに驚いたが、すぐに彼女が自分のクラスの委員長だということに気づいた。
「森川さん？」
私が自信なさげに言うと彼女は大きく頷いて微笑んだ。
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表紙・目次

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