全部君だけ。
「……約束、してくれる?」




拒否権なんてないような、そんな言い方で美帆ちゃんは言う。




「…え、っと……」




チラ、っと瑞稀くんの方を見るけど、瑞稀くんは私を見てくれない。




「結衣が来るの、正直、迷惑だよ。」




「美帆といたいから、もう来ないで。」




目を合わせずに言う瑞稀くんに、本当に私は嫌われたんだな、と思う。




私は耐えられなくなって、美帆ちゃんの言葉を無視して、第二図書室から出た。




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