先生。
さとりちゃんと一緒にいて、とても楽しい宿泊行事になれたことは確かで、いい思い出になった。
そして何より、気になる存在ができた。
小林由人先生。
きっかけは大したことではなかった。
ただただ、マスクと眼鏡を外している先生が目に入っただけ。
それと、クライミングで鍛え上げたであろう腕の筋肉。
学校ではスーツ姿であったから、タンクトップを着たら丸見えで。
暑い日差しの中、先生はキリリとした目をして生徒達を見守っていた。
いつも眼鏡越しに見えた温かくて優しい目とのギャップに少し胸がドキリとした。
先生を見ていたら、キリリとした目でこちらを振り向いた。
ギクッ
慌てて目をそらしてしまった。
その後、クラスの男子が小林先生について盛り上がっているのを耳にした。
『小林先生をやばくね？あんな顔してたんだ。』
『腕の筋肉見たか?クライミングってすげぇんだな!』
先生が褒められているのに、何故か私が嬉しくなっていた。
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