ミスマッチ!? ~私、年下の週末ファーマーに恋しました~
「わぁ。カワイイ訪問者ですね」と私が言ったとき、ちょうど犬養くんがそこについていたてんとう虫を彼自身の指に乗せて、そっと飛ばすことで逃がしてあげていた。

ガタイいいのに、指先の動きは繊細というギャップに、犬養くんの優しさを感じて。
また一つ、犬養くんの好きな所を発見できた喜びに、私は束の間浸った。

「てんとう虫は大丈夫なんですね、町田さん」
「うん。だって、てんとう虫って“ラッキーの象徴”って言うじゃない?あーでも大群で押し寄せられると、さすがに私もギャーって叫んで引いちゃうだろうなぁ」
「ハハッ。てんとう虫は大群で来ないから安心してください」
「良かったぁ」

私は大げさに安堵した後、好奇心から健さんに「あの野菜は何ですか?」と聞いてみた。

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