クールすぎる藤堂くんが本気になるなんて!?
「……さっきから藤堂くん何言ってんの?

全然、話が噛み合わないんだけど」


一向に離してくれる気配がなかった手をやっとの思いで切り振り払って、


少しだけムッとした顔で藤堂くんを見上げれば、フッと小さく笑いをこぼした藤堂くんに"なんで笑ってんのよ"と、ますます腹が立ってきた。



「とにかく!もうHR始まるよ?
藤堂くんもクラスに戻らないと」


「俺と付き合って」


「遅刻扱いされても知らない……って、は!?」


「会いに来るのに理由が必要なんだろ。
なら俺が杏の彼氏なら、どんだけ会いに来たって文句ねぇだろ?」



……ダメだ。この生き物、極めて難易度が高くていらっしゃる。


まず、私が言ってるのはそう言う事じゃないし。問題なのは"会いに来る理由"じゃなくて"私に会いに来る必要の有無"だから。


そこ、まず勘違いしないで。


「藤堂くんって、女の子に1ミクロンも興味ないって噂だったけど。もしかして私のこと男に見えてたりする?」


「は?なんだそれ。
杏には興味がある……それだけの話だろ」



"なんだそれ"って。

なんだそれってなんだよ。
そっくりそのままお返ししますけど!!!!



なんなら、それこっちのセリフですけど。
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