クールすぎる藤堂くんが本気になるなんて!?


「あのね、藤堂くん!
確かに恋愛経験はミジンコの私だけど、私をからかって遊ぼうったってそうは行かないから」


「別にミジンコ程もからかってねぇけど」


何だろう、この生き物。
あー言えばこう言うし、全然お話にならない。


あぁ、今無性に無駄に整ったその顔に、アッパー食らわせてやりたい。



「……と、とにかく。
もうHR始まるから、藤堂くんも自分のクラスに戻りなよ」



クール男子の異名はどこ行った?ってくらい目の前にいる藤堂くんは全くクールさを感じさせない。



スマホで時間を確認した藤堂くんは、渋々「分かった」とだけ告げると、


意外にもあっさり私に背を向けた。



「あ、でも」


かと思えば、またすぐ振り向いて……



「誤解されたら嫌だから言っとくけど。
俺、杏にしかこんなことしねぇから」


「こ、こんなことって……」


「自分から会いに来たり、手握ったり?
誰にでもするわけじゃねぇし。付き合ってってやつも、ちゃんと考えとけよ」


「っ……」



自分の言いたいことを言い終えた藤堂くんは、固まったまま動けない私の頭を「じゃーな」なんて、簡単に撫でて、5組の方向へと歩き出してしまう。

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