クールすぎる藤堂くんが本気になるなんて!?


相変わらずグラウンドの隅っこにクラスメイト数人としゃがみ込んだままの藤堂くんは、まだ出番じゃないみたい。


藤堂くんがサッカーしてるところ、ちょっと見たかったかも……。


って、別に今のに深い意味はなくて!王子様って呼ばれてるからにはホラ、スポーツだってソツなくこなすんだろうなぁって。


そう、それだけ!



───バチッ



「っ!!」



不意に振り向いた藤堂くんと、あろうことかバッチリ目が合ってしまった今、心臓がドクドクと激しく脈を打ち始める。



嘘……ずっと見てたのバレた?
いやでも遠いし?気付かないかも……?



すぐに目をそらそうとした瞬間、藤堂くんの口元が静かに弧を描いた。

そんな藤堂くんからなぜか目が離せないままの私に、いたずらっぽくベッと舌を出した藤堂くんを見て



あぁ、完全に見てたのバレた……と察したのは言うまでもない。


別に深い意味があって見てたわけじゃないのに、変な恥ずかしさに襲われて、負けじとべーっと舌を出してみる。



そんな私に藤堂くんはフッと小さく笑って、片手を上げてから再びクラスメイトとの雑談に戻ってしまった。



あぁ……そのスマートな振る舞い。
なんか今、完全に負けた。

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