クールすぎる藤堂くんが本気になるなんて!?

きっと藤堂財閥のご子息にバケツの水をぶっかけました〜!なんて言ったら、パパの目ん玉その場で落下するに違いない。


となれば、これは佐倉家の財政にもかかってくる重要な問題!?バケツの水をぶっかけて路頭に迷うなんて……そんなの嫌!!!



慌ててブレザーのポケットからハンカチを取り出そうとした私は、



「いらねぇよ。
ハンカチなんかでどーにかなるわけねぇし」



酷く冷たい声を出す藤堂くんに呆気なくもポッキリ心が折れた。


確かに水をぶっかけた私が悪かったけど、そんな冷たい言い方しなくたっていいじゃんか。


これだから王子様は!!
……なんて、フツフツと怒りが込み上げてくるのを必死に抑える。


ダメダメ!あくまでも今回は私が悪かったんだから。パパのために、佐倉家のために、ここは極めて謙虚に……



「でも、そのままじゃ冷たいでしょ?
あ!そうだ私のジャージ貸すよ」


「お前……頭沸いてんのかよ。
女のジャージなんて着れっか」



……ムッ。
いちいち癇に障る。


初対面の、それも女の子に、どーしたら『頭沸いてんのかよ』ってワードを繰り出せるわけ?


いーや!繰り出せない!!
王子様はそんなこと言わない!!!


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