死んだ元姫の私がゴスロリ豚になったら、問題しかないんですけど、どうしたらいいでしょうか!



気づいたら、私はよく分からない場所にいた。



明るい霧?がふんわりと、ただよってる。

足元も、ドライアイスの煙みたいで、床を踏んでる感覚があまりない。





「どこ、ここ。意味わかんないんですけど」


「あの、死に方なのに理解してないのも珍しいね」



声に振り返ると、変態が立っていた。

ゆったりパーマの金髪イケメンだけど、白い布を体に巻いてる。
片方の乳首は完全に露出している。

こいつはヤバい、無視だ。


「無視はやめようよ。 嵐藤大和さん」

え、何で、名前知ってるの?
こんな目立つ変態、知り合いにいないんですけど。


まさか、ストーカー?
怖っ!?

無視して、はやく帰ろう。


「・・・はやく帰ろうも何も、君はさっき死んだんだからね」


えっ!?


頭のなか読まれた!?
さっき死んだ!?


はっとして辺りを見渡す。
一面の白いもやの世界。

もしかして、ここは、天国?




「やっと理解したようですね。 ここは死後の世界の入り口です」

「さんずの川的な? え、戻るのどっち?」


「戻れませんよ」

「またまたー。このあと、チエたちと会う約束してんの。チエ、ドタキャンとかマジでNGな人なの」


「戻れませんから、会えませんよ」

私は秒でキレた。

胸ぐらをつかみあげ、にらむ。



「はぁ? 勝手に連れてきて、戻せよ!」

「連れてきてませんよ、あなたが勝手に来たんです」

「来てねーよ! 来ねーよ、こんなところ!」

「・・・しかたないですね」


金髪は、少し顔をしかめた。

そして、服から私の指をひとつずつ優しくはがす。

「え、何これ!? 意味わかんない」

当たり前だけど、こちらは手を離すつもりはさらさらなかった。

しかし、体が動かない。

パニックになっている間に、金髪は私から少し離れて、服の乱れを直した。



「そのまま、聞きなさい。 君は地獄行きです」

「はぁっ? 悪いことなんかしてねぇし!」

「あれだけ人に迷惑をかけておきながら、自覚なしですか・・・幼さ故か」

金髪は、私の頭にそっと手を置いた。





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