オオカミ弁護士の餌食になりました
私も出社したときに下のコンビニで買ってきていたサンドウィッチを持ってリフレッシュスペースに移動しようとしたら、対角線上にある営業部の島から宮田が走り寄ってきた。
「有村」
「ん? なに」
シャツ姿にネクタイを外したままの宮田はここ数日出張が重なっていて、顔を見るのは久しぶりだ。
彼は私の前まで来るとぱっと視線をそらし、それから思い直したように元に戻した。
「このまえ、帰り平気だったか? 結構飲んでたから……」
「ああ、うん。大丈夫だよ」
宮田とごはんを食べた一週間前のことを思い出して答えると、彼は言いづらそうに口をもごもごさせる。
「そう。それでさ、あの、返事なんだけど……」
そこまで言うと、宮田ははっとしたように私の後ろを見た。