オオカミ弁護士の餌食になりました
「そうか、同期ね」
普段の余裕たっぷりの微笑みを取り戻し、私を見下ろす。
「相談って、仕事関係かなにかか? 社会人五年目ともなると、いろいろ考える時期だしなあ」
ははっと笑う香坂さんを見ながら、ぼんやり思う。
「あれ、私、告白されて返事したっけ……」
「……告白?」
創作居酒屋の個室での出来事を思い返して、あっと思った。
「そうだ! 私、拒絶反応出なかったんです!」
「え」
「宮田に触られてもなんともなくて、本当にびっくりして! 香坂さんの荒療治のおかげで――」
いきなり肩を掴まれて、私は言葉を切った。