オオカミ弁護士の餌食になりました
「その見た目で家庭的なんてさ」
いたずらっぽく見つめられて、私は口を尖らせた。
「放っといてください」
ははっと笑いながら食事を進めていく香坂さんを見つめながら、そういえばと思う。
「ご両親は、大丈夫なんですか」
「ん?」
「婚約者のふりして、一度会ってほしいって」
「ああ」
思い出したように言って、香坂さんはテーブルに置いてあった携帯を取った。操作しながら顔を上げずに言う。
「真凛。悪いけどあとで写真撮らせてくれるか」
「え?」
「俺の部屋にいる彼女の姿ってことで、親に送っておこうと思ってね」