オオカミ弁護士の餌食になりました

 私とは正反対のふんわりした雰囲気で、社内の男たちから癒し系大和なでしこと重宝がられている、同期であり友人でもある――。

「和花!?」

 私の声に、彼女の細い肩がびくりと跳ねた。

「真凛……」

 飄然としていてちっとも表情を変えない冴島部長と対照的に、和花の態度は実にわかりやすい。

 見られた、と思い切り顔に書いてあるし、そうかと思えば、決まりの悪さに耐えかねたようにうつむいてしまう。

 私に見つかって、どう説明したものかと悩んでいるのだ。

 和花の考えていることは手に取るようにわかる。純真で、人を疑うことを知らない彼女の赤面した顔に、愛しささえ湧いてくる。

 好きな人ができたようなことを聞かされたのは、一か月ほど前だっただろうか。

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