オオカミ弁護士の餌食になりました
ただでさえ男性に体を触られると拒否反応が出るというのに、異性と交流する機会も奪われた私は、兄の洗脳もあって男そのものをなかなか信用できない性格になってしまった。
結婚はしたいのに、拒絶反応のせいで彼氏ができず、奇跡的に穏やかなタイプの人と付き合えたとしてもすぐにフラれる。
結婚をして、いつかは子どもを授かって、幸せな家庭を築きたいと思っているのに、異性に触られることが苦手。
こんなことがあっていいものだろうか。
「いや、よくない」
カウンターの向こうから差し出されたショートカクテルのグラスに口をつけてつぶやくと、香坂さんが「ん?」と振り向いた。
「いえ、なんでもないです」