オオカミ弁護士の餌食になりました

 肩下の茶髪を緩く巻き、総レースのワンピースに身を包んだ気合たっぷりの眞木は、幹事ということもあってひとりで場を盛り上げようと、さっきからしゃべり通しだ。

 そのせいで、気がついていないらしい。私に注がれる男どもの熱っぽい視線と、同じく注がれている、女たちの刺すような視線に。

 ごめんね、見た目が派手で。と誰にともなく心の中で謝罪する。

 同僚が言うところによると、私、有村真凛(ありむらまりん)の外見は無駄に色気たっぷりなのだとか。

 でも仕方がない。

 顔立ちがもともとはっきりしているから、少し化粧しただけでどうしても派手になるし、かといってすっぴんで出歩くわけにはいかないし。

 普通にオフィスカジュアルな格好をしただけでも、この顔のせいで色っぽい雰囲気ができあがってしまう。


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