オオカミ弁護士の餌食になりました
今日だってなんの変哲もないネイビーのシャツに白のパンツを合わせただけなのに、初対面の男たちはちらちらと、さりげなさを装った無遠慮な視線をよこしてくる。
ワイングラスを置いて、もう一度ため息をついた。
熱い視線といったって、そんなにいいものじゃない。
どうせ「遊んでいそう」とか、「すぐヤレそう」とか思われているだけだ。
高校生の頃から、その手の声をかけてくる軽い男はわんさかいて、心の底からうんざりしていた。
私のことなんかなにひとつ知らないくせに、見た目だけで近づいてくる男たち。
ああ、ちがうかと、正面の席で目配せし合う男連中を眺めながら、思う。
私のことなんてなにひとつ知らないし、知る気もないから、体だけの関係を求めて近づいてくる。