オオカミ弁護士の餌食になりました

 優しく触れた感触に、ぎゅっと胸が締まる。

 顔を離すと、彼は確認するように私を見下ろした。

「拒絶反応、出てないよな?」

 そんなの、出るわけがない。

 だって私の心も体も、香坂さんを拒絶していない。香坂さんにだけは、心を開いていた。高校生のときから、変わらずに。

 ほんの少しためらうように、彼は私の背中に両手を回した。

 広い胸に、静かに抱き寄せられる。

 香坂さんの匂いとぬくもりが感じられて、私は静かに目を閉じた。心臓は、壊れそうなほど鳴っている。

「平気か? 今、どういう感じ?」

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